竹林のゆとりブログ

山奥で生活し、日々の思いをつらつらと書くブログ。 IT、数学、アニメなど。

数論の1つの頂き

類体論は数論の1つの頂きといわれている。

今回、類体論がなぜ、頂きといわれているかを説明する。 それを通じて、数学という学問の雰囲気を感じとっていただければ、幸いである。

類体論の成果

類体論が証明されたことで得た大きな成果は以下の2つである。

  • 古典的な平方剰余の相互法則を一般化することに成功したこと
  • ガロア群がどのような形をしているかをアーベル拡大の場合に一般化したこと

これら2点を以下で詳しく説明する。

古典的な平方剰余の相互法則を一般化することに成功したこと

平方剰余の相互法則はガウスが証明した問題の一つで二次体の最も重要な問題の1つと言われている。

式としては、特殊な2次方程式だと思って欲しい。

これが、何故重要かは数学とはどういう学問かに近しい問題と思うので、まず、数学とはどういう学問かを説明する
この数学とはどういう学問かは私の個人的な意見であって、一般論ではない、一般論としてまとまっているものは見たことがない)

数学とは『ものの形』を調べる学問であると私は思っている。

例えば、x2 + y2 = 1を考えてみて欲しい。 これを解くということはこれらの解全体のなす図形を調べることに等しい。 実際これをみて、円を思い浮かべる人が多いのではないだろうか?

もう一度繰り返すが、数学はもの、概念がどういう形になっているかを調べる学問である。 私はこれを特に形という意味で強調したい。その理由は解全体など、全体を観ることでにより、1つ1つの関係が見えてくるからである。

数学はそうした、関係からさらに深淵へと理論を深めていく。 そのため、仕組み等ではなく、形と私は表現したい。

調査対象となるものが数学の分野によってものが少しずつ、変わる。例えば数論では有理数や整数の場合に考える。 これは実数の場合とは全く異なっており、高校数学で習う微積分の技術が全く使えないため、調べ方が大きく異なるのである。

平方剰余の相互法則とは整数全体を素数pによって割ってできた有限体という世界の話である。
その世界で、解を調べる興味となる対象で、もっとも基本である二次方程式がどんな形をつくるかを調べるものである。 これがどうなるかはp,a次第なのであるが、そのp,aに不思議な関係があったために、その背景にある理論が興味を持たれたのである。

また、これは2次の場合だったが、3次以上に一般化したいという自然な興味があった。だが、それはガウスの時代にはうまくいかなかった。
これに正確に答えを出したのが類体論である。

ガロア群がどのような形をしているかをアーベル拡大の場合に一般化したこと

群、体等の関係を通して、今回のことがなぜ大きな意味を持っているかを説明したい。

体の性質はガロア群という特殊な群を通じて、群論によって調べられることがわかっている。 それはガロア理論の基本定理という代数の一般論であり、数学で最も美しい定理の1つと言われる。

この定理からガロア群さえわかれば、体の性質が調べられることがわかっていた。 しかし、肝心のガロア群はなかなか難しく、当時、一般的な求め方はわかっていなかった。

そんな中でアーベル拡大という制限はつくが、その条件下で、ガロア群がどのような形かわかった。 これもを類体論によって初めてわかったものである。

数論的、代数的な対象を考える時はガロア群は必須の情報であり、現在の数論の研究でガロア群を使われない研究はない。 そのことからも上の結果がいかに重要かがわかってもらえると思う。

この2つが類体論が数論のいただきと言われる理由である。

おわり

雰囲気だけでも伝われば幸いです。