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竹林のゆとりブログ

山奥で生活し、日々の思いをつらつらと書くブログ。 IT、数学、アニメなど。

わかりやすさの呪い

雑記

わかりやすいという言葉って呪いだなと思っていて、 言葉が整理されてきたので、まとめてみた。

そのわかりやすさ誰にとって?

よく、○○の方がわかりやすいから、△△しましたって言いませんか?

例えば、OSの種別として、LinuxをひとまとめにするかCentOS/SUSE/Ubuntu/Red Hat Enterprise Linux/Fedora等を分けるか。

OSのコマンドやインストルしたパッケージがバグが起きた場合、 Cent 6.7をどこどこのisoからインストールして・・・ということが理解できないと原因が特定できないでしょう。 だから、この○○コマンドを✗✗な環境が問題でした等と人に説明したくなります。

例えば、新しいDeepLearningのOSSができました。これの特徴は、Windowsも標準でサポートすることだったとします。

これ普段TensorflowやChainerを使っている人であれば、びっくりする内容だと思います。その一言で伝わるでしょう。

つまり、この2つの例は、原因を説明するのに必要なレベルの情報を出すことがわかりやすいことだと説明しています。

しかし、Windowsの7,8の違いすら知らないレベルの相手には上の説明はわかりやしすいでしょうか。

説明したところで、そもそも、何が難しいの?何が違うの?サポートって何?となるだけでしょう。

つまり、知識レベルがわからないと伝わる説明ができません。 『誰にとって』がわからないと説明する内容が定まらないのが基本です。 特に技術的な話はこっちの説明の前提となる言葉を相手が知らない場合伝わりません。

しかし、知識レベルが想定できない時、例えば大きなフォーラムの場合、どうなるのでしょう。 この場合、知識レベルの低い、高いの想定は難しいです。

全くわからない人がいる説明だと、説明する側が悪いと言われるので、知識レベルが低い人向けになります。

名前をつけることでわかった気になる現象

知識が低い人にものをわかってもらうにはどうするか、それは現象に『名前』をつけるのです。

癌だから亡くなった。マイナスイオンで涼しい。

こう聞くとふむふむ。よくある話だなとなりますよね。 人を殺す要因の一つとして、癌を、涼しくなる一つの要因としてマイナスイオンという名前をつけるのです。

原因となる現象に名前をつけることで、既知感を出し、わかったきにさせます。

しかし、実際、癌が何かわかりますか。どうなったら癌かわかりますか。 たいていの人はよく知りません。そもそも癌と呼ばれても、原因や現象が違う場合があるのかすら知りません。

でも、癌で死んだとすると、人は納得します。癌って怖いね、気をつけないとねと…。 正しいのかよくわからない怪しい情報を信じながら、がんにならないことを祈るだけです。

マイナスイオンだって同様です。何か涼しい要素だよね、マイナスってついてるしぐらいじゃないでしょうか。

高校化学でイオン結合をきちんと学んだ人なら、(高校化学で定義する)マイナスイオンだけが大気中に存在する なんてありえないし、マイナスイオンはそれまでも存在したことに気づくと思うんですがね・・・。

どちらにせよ、『物質として、何がどうなった時にその名前を名乗るかが不明だ』ということは理解してもらえたと思います。

それは果たして、理解したと言っていいのでしょうか。 でも、名前をつけてるものはわかった気になるんですよね。

企業の研究成果を見てみるといいと思います。 ○○という新技術を用いて、✗✗が改善されました。という文章がたくさんみれるでしょう。

わからない人向けにわかるように説明したとします。 これが世の中の標準になっていて、何が問題でしょうか。

デメリット1 詳しいことをわかる手段がなくなる。

詳細な情報が公開されず、以前なら公開されていた情報が消されます。 すると、本当は何を意味しているのか、それはどういう条件でどういう意味をさすのか等が全然わからなくなります。

例えばプライベートクラウド。ただのクライアントサーバシステムと何が違うんですかね。 プライベート・クラウド用製品を出す場合は何を持っていいと判断するのかもわからない。

例えばAWSとさくらVPSのセキュリティレベルの差

例えば、Androidのメモリ管理。

例えば、癌と白血病の違い。

例えば、金融派生商品の有用性

ほとんどの人がよくわからないし、どうやったら調べられるのかがわからないものがほとんどになりませんか。

デメリット2 自分が実際はわかっていないということを理解していない。

多くの人が自分が深く理解した経験がないために、分かった気になるレベルとわかったの違いを知らない状態になります。 そうすると、わかった気になる≒わかったとなり、新技術の詳しいことはわかっていないし、そもそもわかるレベルに至っていないということに気づいていない。 また、これ以上難しいことがないように感じる人が増えます。

これは非常に危険な問題で、難しいこと、高度なことをしているか、またその難しさを判断できなくなります。相手が口で説明した簡単な言葉を信じるしかできないし、信じさせる言葉を言う人が正しくなります。

デメリット3 高度な技術を説明する場がなくなる。

技術者の技術力の高さを証明したり、技術の議論をする場が失われます。 これは技術者にとって、必要な作業をする時間が奪われ、逆に無駄な作業をする時間が発生することになります。

まとめ

高度すぎる技術が魔法と何ら変わらないという現実を受け入れ、 自分ができないことを実現していることに、技術者の価値に気づいてほしいなと思います。

願わくば、上級者向けのものが世の中に多く存在し、それが認められることを。